企業名
ウム 有限会社
所在地
東京都台東区上野1−17−5西楽堂アネックス3F
代表者名
代表取締役 堀江 行成
電話番号
TEL/FAX 03-5818-1244
E-mail
horie@umu7.jp 
   
PROFILE

『ウム』は、N○○の情報システム共通分散処理基盤等の維持管理や開発をメインに、複数社のシステムの開発やシステムの構築等を手掛けている。元々は服飾のデザイナーとして活躍していたが、あるきっかけからソフトウエアの制作に携わるようになり、36歳で同社を設立した堀江行成社長に、今回は俳優の倉田保昭氏がお話を伺った。

東京都出身。高校卒業後、デザイン専門学校に進学しデザイナーを目指して服飾科で学ぶ。その後、婦人服メーカーに就職して働くも、2年後に就職先が倒産。職業訓練学校でソフトウエアの存在を知り、以来ソフトウエア業界で活躍する。28歳のときに共同で事業を始め、36歳で気の合う仲間たちと『ウム』を設立。

代表取締役
堀江 行成
●外見ではなく、中身で勝負。でも楽しく!
地に足をつけた経営方針を採用する
「たとえ立派な事務所を構えて見映えを良くしたとしても、実状が伴わなければ意味がない」と語る『ウム』の堀江社長。「企業にとって最も大切なのは人であり、集まってくれた人たちが安定した生活が出来ること。その次に楽しみながら、技術の研鑽や最新知識の習得が出来る環境を提供することこそが重要」と社長は考えている。きれいな服で着飾るのではなく、内面を研く──本分を全うする同社に対する取引先の信頼が篤いことは言わずもがなである。
記事全文
■ソフトウエアとの出会い

倉田 早速ですが、まずはこれまでの歩みからお聞かせ願えますか。

堀江 東京江戸川区の平井で生まれ、都内の深川高校を卒業後、デザイン専門学校に進学しました。そちらではデザイナーを目指して、婦人服メーカーに就職しました。そのときに職業訓練学校で初めてソフトウエアの存在を知りました。ですが、それまで服飾関係の仕事に携わっていた私は「柔らかい服」ってどんな仕事だろ? などと勘違いするぐらいで(笑)、全くコンピュータのことなど知らなかったのですよ。それが今から20年程前のことで、ソフトウエアという単語が世に出始めたころでした。

倉田 ひょんなきっかけからコンピュータと出会われたのですね。

堀江 ええ。その当時のコンピュータは現在のように高性能でも小型でもなく大型汎用機で、カードリーダーに情報を読ませるといった感じでした。

倉田 その後、どうされたのですか。

堀江 転職先のソフトウエア会社で働いていたところ、同僚から独立の話を持ちかけられましてね。独立心はなかったのですが、28歳のときに共同で事業を興すことになりました。しかし起業から数年後にバブルが崩壊して仕事が減ったため、会社のスタンスを変更せざるを得ない状況になったんです。まあ、平等性を保てないので、そちらを辞し、その後、フリーとして仕事を1人でこなしていたんですが、その間に仕事で人を雇うようになり、営業範囲も幅が広がっていきました。簡単に言うと人に使われるのが苦手だったのかもしれません。その間にNXX関連の作業をもとに知り合った気の合う仲間たちと当社を設立した次第です。それが36歳のときでした。

■1人1人が責任ある仕事を

倉田 では、御社の業務内容について教えて頂けますか。

堀江 現在は「NT○○(株)」や「(株)住○」「アジ○○(株)」等から、SEとしてシステムの開発や維持運用を請け負っております。

倉田 大手企業と取引されていることからも、御社がどれだけ高く評価されているかが分かりますね。ところで、お伺いしたところ社名には由来があるそうで。

堀江 会社という形は有っても無くてもよい、名目といった余分なものはいらないという考えから「有無」と名付けました。ただ、始めは『(有)有無』としていたのですが、これだと「有有無」と最後に「無」がくるので縁起が悪いでしょう(笑)。ですから、シンメトリックに『有無(有)』としました。バランスが大切と言う考えもありました。でも、お客さんは大企業ばかりでもなく、弊社のように小さな会社もありますよ。仲間の会社間の繋がりも重要で、共に企業として情報の仕事での助け合いなんかもしています。

倉田 余分なものをなくすといいますと?

堀江 1度目の独立の際に、会社としての共有部分──事務所の管理費用や社員の給与等を誰がどのように負担するかという問題でもめましたから、責任の所在があいまいになる共有の部分をできる限り省こうと思いましてね。ですから当社では私の自宅が事務所の替わりみたいなものです。私自身も、社長兼エンジニア兼事務員です。基本的には自分の給与は自ら稼ぐというスタイルを採っています。

倉田 現在、社員の方は何名ぐらいいらっしゃるのでしょう。

堀江 会社設立当初は社員と契約社員で9名でしたが、今は合わせて28名程に増えました。私1人で管理・フォローできるのは数名程ですので、もう1人の仲間である取締役や適任者と数名で各プロジェクトを管理して社員をバックアップしています。まあ、退職する人も少ないのは自慢ですけど……。
倉田 各社員を細やかにバックアップされていらっしゃるのですね。最後になりましたが、今後の展望をお伺いします。

堀江 まずは会社として信用を内部、外部から得て「あいつの会社なら安心だ」と言われるようにしたいと考えます。景況や時代の流れを見ながら、変化に強い会社スタイルで事業を進めていく所存です。

人材育成・働きやすい環境づくりにも力を入れて取り組む
▼『ウム』のスタッフは全員が仲間。基本的には、学歴も関係なく、すべて平等に給与が支払われる。ただの仲良しではなく、互いに働けば働くほどに直接給料に反映される出来高制を採用していることもあって、1人1人が責任を持って業務に臨んでいるという。「仕事を与えられるのをただ待つのではなく、社員の多くが自ら受注し、業務に取り組んでいます。こういった人材は企業にとっても有益であり、有能な人物が多ければ多いほど会社は発展するものです」と堀江行成社長は語る。
▼自身もSE(システムエンジニア)である社長はシステムの開発に携わる一方で、社員の管理・バックアップにも力を入れている。1人1人の性格や能力を把握し、的確にアドバイスをする等、細やかな気配りでフォローに当たっているそう。社長は、人材育成や働きやすい環境づくりも経営者の役割だと考えているのだ。これからも精鋭のスタッフと力を合わせながら、邁進していくことだろう。
対談を終えて…
「『仕事は楽しく、充実した毎日を送っている』とおっしゃる堀江社長。システムの開発という最先端分野を活躍の場としているだけに、技術や知識の習得には余念がないそうですが、土日などは仕事を離れて余暇を楽しんでいるといいます。仕事と余暇、それぞれに目一杯打ち込む。めりはりのある毎日を過ごすことが社長の原動力なのでしょうね」